緑色の動物がいない理由

生物学
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ブログ『オモシロサイエンス』

記念すべき最初の記事は

なぜ「緑色をしたケモノ(哺乳動物)」がいないのか?

というテーマでお話ししたいと思います。

自然界と擬態

皆さんも疑問に思いませんか?

どうして、世の中に緑色」をした哺乳動物はいないのでしょう?

特に思わない?

これは失礼しました(←)

自然界には捕食者に見つからないようにするため

様々な「擬態」をする生物たちがいます。

擬態

それらはケモノ(哺乳動物)よりも

昆虫などの無脊椎動物が圧倒的に多いわけですが

周囲の環境に「溶け込んで」身を守る戦略は

弱肉強食の自然の中では、わりとポピュラーに使われているわけです。

では、例えば

一匹のヤギを考えてみてください。

緑色の動物がいない理由
緑色の動物がいない理由
緑色の動物がいない理由

いや、白いな。お前…

様々な肉食動物の餌食にされる身の上だというのに

緑あふれる原っぱの中で、いかにも私を見つけてくださいと言わんばかりの「白色」

もちろん、我々の知っているヤギの姿は家畜化され、品種改良された後の姿であり

野生原種のヤギはこんな白くないよ。というご意見もあるかもしれませんが

そもそも「緑色」だったら

もっと圧倒的に自然の中に溶け込み

捕食者に気付かれずに、生存できると思いませんか?

緑色の動物がいない理由
緑色の動物がいない理由

うわ!!

ホントだ!目立たない!!!

まさにこれこそ シンプルな「擬態

それなのに

緑色をしたケモノ(哺乳動物)」はいない。

これって少し奇妙だと思いません?

だって、その方が生き残る上で有利なんですよ?

特に思わない?

これは失礼しました(←)

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仮説➀ 哺乳動物の “チープ” な色彩感覚

この問いに対する有力な仮説として

哺乳動物は「色を識別する能力」が低いことが挙げられます。

実は、我々ヒトを含めた霊長類を除き

多くのケモノたちは、あまり色の違いを見分けることが得意ではないのです。

哺乳動物の “チープ” な色彩感覚

その色が「」なのか「」なのか「」なのか

正直ガバガバ…

もう全部が「灰色」に見えてしまったり

昆虫や鳥などは、しっかりとした色彩感覚を持っていることが多いのに

けものフレンズ達は残念なのです(←)

だから哺乳動物にとっては、体色を「」にすることは

進化論上、優位な淘汰圧として働かなかったことが、大きな要因としてあげられます。

もちろん、中には緑色を識別できる哺乳動物もいますし

小型の草食動物にとって天敵となるワシやタカなどの猛禽類は

ヒト以上に色彩感覚が優れているので

「緑色」になっている方が捕食されにくいことは間違いありませんが

多くのケモノたちの色彩感覚が “チープ” であることは

緑色をしたケモノ(哺乳動物)」がいない要因の一つでしょう。

仮説② "偶然"緑色になれなかった

もう一つの仮説として考えられるのが

そもそも哺乳動物が「緑色の色素を作り出す遺伝子」を獲得できなかったという理由です。

ダーウィンの進化論に基づくと

遺伝子にランダムな変異が蓄積していくことで

動物たちは種族として、時間をかけて「進化」に対する試行錯誤を行っていきます。

例えば

もともとは首が長くなかった “キリン一族” の中で

いわゆる『突然変異』が起き、たまたま「少し首の長いキリン」が生まれ

その「少し首の長いキリン」が、高い木の葉を食べることに優れていたため、子孫を残しやすく

結果的に “キリン一族” 全体の首が、段々と長くなっていたという進化の実例がありますが

少し首の長いキリン

あくまでも

この『突然変異』はランダムに行われるため

全て “偶然の産物” でしかなく

末期ガン患者が、一夜にして不死身のミュータントになるような

「都合が良いから、こうなりたい!」というような

意図的な進化は、基本的に起きないわけです。

意図的な進化

先ほどのキリンの例においても

本当に偶然「首が長くなる」方向に突然変異が起きただけで

ひょっとすると、ゾウのように「鼻が長くなる」方向に進化することも十分有り得たわけです。 (それが生存に有利であれば)

なので

もし仮に緑色になることが

捕食者から身を隠す上で有利だったとしても(仮説➀の観点からだと、やや怪しいですが)

残念ながらケモノ達は

偶然にも緑色の色素を作り出す遺伝子」を手にすることが出来なかったわけです。

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実在する「緑色のケモノ」

以上、2つの仮説によって

緑色をしたケモノ(哺乳動物)」がいない理由が

何となく理解できたかと思います。

あくまでもこれらは仮説であり

真実と立証されているわけではありませんが

身近な不思議を紐解いていく作業は、とても面白いものですね。

とはいえ、実は一種類だけ

緑色」の哺乳動物が存在しています。

それは

南アフリカに住むナマケモノ

「緑色」の哺乳動物

この件、過去に私もツイートしましたが

実は「ナマケモノ」の体毛には

びっしりとコケが生えているのです。

このコケナマケモノを「緑色」に染めて

結果的に、緑生い茂る森の中で

天敵から身を守ることに役に立っているようなのです。

え?

じゃあ厳密には「緑色のケモノ」ではないだろって?

細かいことを気にするのは

うつ病の原因になるので止めましょう。

驚くべきことに

ナマケモノの体毛表面には

コケが生育しやすいようなミクロレベルの小さな溝と隆起があり

彼らに安全な住み家を提供してあげることで「共生」関係を築いています。

ナマケモノにとって

コケはカモフラージュに使えるだけでなく

美味しい『非常食』としても活用できるため

単に「緑」の体色を手にするよりも、ずっとメリットの多い戦略をとっているというわけです。

今回の結論

ナマケモノさんは凄い(←)


今回の記事はここまで。

また次の更新をお待ちください!

《参考文献》

『動物たちの奇行には理由がある ~イグ・ノーベル賞受賞者の生物ふしぎエッセイ~』

V.B.マイヤーロホ (著)  江口 英輔 (翻訳)

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